香港というと超高層ビルが海と山に挟まれてひしめき合う様子を想像される方が多いかもしれませんが、
街を少し離れるとレトロな田舎やきれいなビーチがたくさんあり、風光明媚です。
今日は、MTR(地下鉄)とタクシーを乗り継いて、
郊外の汀九灣(ティンコー湾)にあるプライベートキッチン「鴛鴦(yin yang)」に出かけました。
もとは香港の街なかにあり、数々の賞を取った人気店で、
6年前に静かな郊外に移りましたが、相変わらず、シェフのマーガレットさんが腕を振るっています。
大の食通でマーガレットさんと懇意にしている香港Sake女会員Kさんのご紹介。

新鮮な食材たちが「私を見て! スタイリッシュで美味しいでしょ!」と、
胸を張っているような彼女のお料理をイメージして、日本酒を6本持ち込みました。

さて、一品目。 モダンアートのような前菜にアドレナリンが一気に上がります。
夏の無人島でそこらにあるもの・取れるものを食べるサバイバルを意識した作品だとか。
ピンクのラベルが斬新な「新政の秋櫻(コスモス)木樽仕込み」でさらにアドレナリン、アップ(笑)。
ウニとマンゴーの豆腐仕立てを頂きながら、香りの華やかな「龍力米のささやき大吟醸」を飲んでみます。
ワイングラスを2客ずつ頂けたので米や酵母の違いや酒母造りの違いをなんとなく感じながら、
次のお料理を待ちます。

3皿目はマーガレットさんのシグネチャー・ディッシュ、イエロー・アース・チキン。
ご自身で造ったツボの中で丸ごと焼いた鶏は、しっとりジューシーで、生姜風のスパイスの効いた塩で頂きます。 「モダン仙禽 無垢」が甘酸っぱさを足してくれて、おっ、おっ、おいしい。
このお酒とこのお料理が出会ったことに感謝♡

4皿目、皮パリパリのポークを精米歩合70%の「生酛純米 花垣」が腕まくりをして待ちます。
お燗にすると、力強くまろやかな花垣のパワーがさらに炸裂!
ホットSakeにしたいと言ったら、親切に熱湯を桶に入れて持ってきてくれたお店のスタッフが、
お燗計で50℃ピッタリにするのを興味津々に見物してます。

お料理はさらにさらに、蟹味噌の黄色いソースをまとわせた花咲がにや鯛の香草蒸しと続き、
小イカの炊き込みごはん、デザートのスフレに。
お酒もそれに合わせ、飯米の苦みがお料理を引き立てるお酒、
そして、白ワインのようなお酒で〆ました。
素敵な仲間たちと美酒・美食を堪能した夢のような時間でした。

本日のお酒は6種類。
香港Sake女会員で相談役のTさんのウィットでコロナで日本に帰ることも旅行もできない中、
せめてお酒で日本を旅行しようということで、
「日本縦断美酒めぐり」というレジュメになりました。


(リポート:城宮辰子)