酒どころ越後平野、角田山の麓で400年以上も酒造りを行う、峰乃白梅酒造。最近では新たなブランド「菱湖」が人気で、フェミナリーズ世界ワインコンクール美酒コンクールでも優秀な成績をおさめています。今回の料飲おもてなしセミナーは、そんな峰乃白梅酒造より、同社高橋芳郎代表取締役と、同社のホープ、いえ、業界の(!)若きホープ、佐藤 元(はじめ)さんを招きしての開催となりました。


佐藤さんは、いわゆる「杜氏」ではなく、「酛屋・麹屋」を肩書としていらっしゃいます。地元新潟出身で、エンジニアを経てオーストラリアでクラフトビールや日本酒輸入を始めるも、諸事情から新潟に戻り、現職となりました。34歳という若さと熱い思いで酒造りに携わっていらっしゃいます。

蔵のある環境や蔵の歴史、どのようなスタイルと哲学で酒造りを行っているのかを、スライドともに説明。人気ブランド「菱湖」は、江戸時代の三大書家の一人「巻菱湖(まき・りょうこ)」の名前から命名。女性ではありません、男性なのですよ。蔵元の所在地が、この菱湖の生誕地であることが由来です。酒「菱湖」は、会津の「写楽」で製造部長を務めていた井島氏を招聘してスタートし、業界では名の知れた福島県酒造組合特別顧問鈴木賢二先生の指導を受け、現在も日々、進化し続けています。

当日のテイスティングは以下です。

①菱湖 純米吟醸 火入れ (スペック非公開)
②菱湖 純米吟醸 出羽燦々 無濾過生
③菱湖 純米吟醸 THE BASE
④菱湖 純米 ドライ
⑤simplex (シンプレックス) 非売品

お酒は、いずれも、シュワシュワと泡を感じる、いわゆる最近のトレンドラインのフレッシュな香味設計。淡麗辛口が多い新潟にあって、フレッシュながら米の旨味が感じられるスタイルを目指しているそうです。⑤シンプレックスは、地元の五百万石100%で造られた、オリジナルブランド。ワインのようなスタイリングで、ご贈答用だとか。面白い試みですね。

お話とテイスティングの後には、なんと、クイズ大会! 佐藤さんのお話からの出題や、お酒と関係ない問題なども盛り込まれ、SAKE女の会会員様にとっても「難問!」といわれるものが続き、とても楽しみながら勉強できました。ちなみに、お読みいただく皆様にも1問、お出ししましょう。

<問題>
お酒の表記にアルコール16%と記載がある場合、実際計量した数値が15.3%だったとしても、16%と記載してOKである。○か✕か?

クイズ出題中の佐藤さん!

<答>

例えば16%と記載する場合、実測で15.1%~16.9%までの誤差が許されるそうです。アルコール15%の記載なら、14.1%~15.9%の誤差OKということです。つまり、記載の数期に対して、約2%もの差が許されるということなのです。知らなかったですね。

こんな難しいクイズをかいくぐった勝者2名の方には、素敵な菱湖Tシャツ(ブラックとホワイト)がプレゼントされました! このほか、「郷土の特産品“切り干し大根巻きからし”&お猪口セット」が全員にお土産としてご用意。なんと、至れり尽くせりのセミナーとなりました。ありがとうございました!

 

さて、3月は「福井の旅イベント」開催で、料飲おもてなしセミナーはございません。4月の開催をお楽しみに!