「農!と言える酒蔵の会」設立発表会(7/29 @品川区立総合区民会館)に参加しました。
この会は、自社で原料米の栽培を行う有志蔵元12社により構成され、酒造りと米作り、醸造と農業を一体として捉え、風土、文化と絡めた新たなスト ーリーとして日本酒の品質向上や、消費者への情報発信を行う事を目的として設立されました。
SAKE女の会の賛助会員でもある株式会社ーノ蔵から鈴木社長、丸本酒造株式会社から丸本社長も設立メンバーとして参加されていました。
【設立メンバー12社】
秋鹿酒造有限会社「秋鹿」
泉橋酒造株式会社 「いづみ橋」
株式会社ーノ蔵 「一ノ蔵」
元坂酒造株式会社「酒屋八兵衛」
酒井酒造株式会社 「五橋」
関谷醸造株式会社 「蓬莱泉」
株式会社高橋庄作酒造店 「会津娘」
千代酒造株式会社 「櫛羅 (くじら)」
有限会社仁井田本家 「仁井田自然酒 穏(おだやか)」
丸本酒造株式会社 「竹林」
合名会社森喜酒造場 「るみ子の酒」
合資会社大和川酒造店 「彌右衛門」
(五十音順)
農業を始めたきっかけは、原料不足によるものから耕作放棄地を活用するためなど各社様々ですが、どの蔵元のお話からも「地球環境への配慮」「次世代へ継承する責任」「地域産業の活性化」「安全で優良な酒米を作ることへの熱意」などが伝わってきました。
代表理事の丸本酒造株式会社、丸本社長から「すべての生産者が米を栽培する、ということが目的ではない。
賛同者を増やしながら、みんなで栽培や醸造について知識を共有し、酒蔵と農業が一体となる環境を構築していく。
そして日本酒本来の品質と文化的な魅力を発掘し国内外に発信していく」といった主旨のお話がありました。
マスターオブワイン大橋健一氏による基調講演では、ワイン的視点から、「農!」をフィーチャーし、日本酒を世界的なbeverageにするために必要なポイントについて解説していただきました。
”to shift to agriculture from manufacture”(日本酒を工業製品から農業製品にシフトする)
「ワイン作りは95%がブドウで決まる」というワイン醸造に於けるけるブドウ栽培の重要性を述べ、すでに輸出が加速している日本酒の次のステップとして必要なのは、工業製品から農業製品にシフトすることであると述べられました。
”to recognize methods to approach” (アプローチの手法についての認識)
ボルドーやブルゴーニュの有名ブランドが現在の地位を築くまでの戦略を例に挙げ、原料の出どころが明確な農業製品が消費者にとって魅了的であることを述べられました。
懇親会では、各社の自社栽培米で醸したお酒と酒米を試食させていただき、各社のブースをまわりながら、農業と醸造にかける熱い想いを伺いました。
今後も定期的にオープンセミナーなど開催されるとのこと。SAKE女の会としても、ぜひ応援していきたい素晴らしい取組ですね!