フェミナリーズ世界ワインコンクールの審査の翌日は、ワイナリー&チーズメーカー見学です。
昨年のシャンパーニュ地方に続いて、今年はロワール地方へ行ってきました。
ロワール川流域に広がるワイン産地であり、中世の古城が点在する美しい地方で、「フランスの庭園」とも呼ばれています。
またこの地方は自然派ワインのメッカでもあります。ワイナリー3社とこの地方ならではのシェーブルチーズの工房を訪ねました。

ワイナリー1社目は、女性オーナーLauraさんの完全ナチュールワインのワイナリー。「Domaine de Montcy」。目の前の畑で、シュナンブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノノワール、カベルネ・フラン、そしてこの地方で「COT」と呼ぶマルベックを栽培しています。この地方でマルベックが使われていることは初めて知りました。
また、ここには「Vigneron  independen」のマークも。これは、大きな団体には所属していないが、小規模にいいワインを造るブドウ農家兼ワインメーカーの組織に所属しているということ。日本に未輸入の魅力的なワイン群があります。
小さいながらも近代的で清潔なワイナリー。2017年は雹や霜害で他地方からブドウを購入し乗り切ったとか。自然農法も苦労が多ようです。
「AOC Cheverny」の赤は、ピノとギャメイとマルベックの微妙なブレンドで、とても優しく、滑らかで、豊かな酸味が素晴らしいバランス。女性ワインメーカーだからというわけではないですが、しなやかで女性的な印象です。思わず購入。そのほか優しいながらも余韻の長いシュナンとソーヴィニヨンのブレンドもとても新鮮で魅惑的です。
また、ワイン用ブドウから造られるジャムも販売していて、購買意欲が止まらない・・・。
ワインのラベルのかわいく女性好み。日本のインポーターさん、募集中ですって。

続いてアンボワーズへ。フランソワ1世のお城で、レオナルド・ダヴィンチの終焉の地としても知られる美しい街です。ここではまずはランチ。観光客にも地元の人にも愛される人気のbistro「Chez Bruno」です。「たっぷり野菜の濃厚スープ」「タラのソテー ライス添え」「豚ひれ肉のソテー ほくほくジャガイモ添え」 にVouvrayの白を合わせます。う~ん、最高!
そしてお楽しみはなんといっても「タルト・タタン」。タタン姉妹が造った極上のデザート。ここは本場ですからね。ボリュームのある香ばしいリンゴパイです。

食後は目の前のアンボワーズ城下にあるワイン販売所「Vins d’Amboise」。グラスでの試飲がたくさん用意されていますし、状態のいいシェーブルチーズも購入できます。美しい髭が印象的なスタッフの方に教えてもらいつつ、地元高校生が造る「Expression Touraine Amboise」を購入。豊かな果実味に生き生きとした酸味。繊細なアタックに、意外に長く続くやさしい余韻。ロワール産のワインの魅力全開です。

 

3軒目は、Civray de Touraineの「Cave de Pere August」。若き5代目当主に案内していただき、洞窟のようなカーヴを見学。昔の圧搾機が展示されるひんやり涼しい場所です。このカーヴ、彼の曾おじいさんが手作業で掘ったのだとか。
ここでも「Cot」、つまりマルベックを使ったワインを造っています。それも、なんでも500年前からこの地で育っている品種だとか。教科書にはマルベックは南フランスやアルゼンチンの品種と書かれていますよね。これは意外でした。ピノノワールのやさしさに骨格を与えるような感じです。
洞窟カーヴでは試飲も可能。ロゼのやさしいスパークリングが絶品です。
また、ここでは、ロワール名物の「リエット」も購入可能。しっかり肉館のある豚のリエット、すごくおいしいです💛

最後はチーズ工房。もちろんロワール名産のシェーブルがメインです。社名は「Moreau社」。地元産の手造りチーズ販売所で見学も購入もできます。工房長に案内いただき、会社紹介のビデオを拝見。その後工房内を見学。清潔で明るい工房です。そのあとはお楽しみの試食と試飲。はい、もちろんワイン付きです。ここで知ったことは、細長いサントモール・ド・トゥーレーヌよりお饅頭型のシェル・シュール・シェルのほうが酸味が強いということ。小型のチーズのほうがホエー(乳清)が抜ける率が高く、酸もが残るのだとか。味見して実感です。酸味好きならシェルですね。ワインはTouraine Blan。ワインのしっかりとした酸味がシェーブルの酸味とミルキーさを際立たせます。

 

今回はいずれもお土産に「SAKE女がお勧めする 純米大吟醸 日本盛 生の贅沢」を。常温で8か月持つのでフランスへのお土産にもばっちりですし、皆さん、日本酒に興味ありありでとても喜ばれました。ワイングラスで飲んで、とお勧めすると驚かれます。まだまだ日本酒のことは知られていませんね。

 

さて、来年はどこの地方に行きましょうか。同じロワールでもサンセールやプイイ・フュメあたり? カマンベールとカルバドスもいいですね~。ああ、わくわく感が止まりません。
ぜひ、皆さんも、審査員体験とフランスのワイン&チーズツアー、ご参加ください。
では、また来年!

ちなみに、以下はパリ市内での様子。以前にも増してパリのパンがおいしいことに感動。また、レストランではどこでも、日本では食べられない「タルタル三昧」をお勧めします。そ
れと、もう一つプチ情報。エールフランスではエコノミーでもディジェスティフ、つまり、食後酒・・・のミニボトルがありますよ。興味ある方はクルーにぜひ。